弘法よ、筆は選べ

アクセスカウンタ

zoom RSS 煌めく息づかい SONY XBA-300

<<   作成日時 : 2018/01/07 23:20   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

XBA-300お気に入り度:10(5点満点 殴)

 この冬のニューカマーです。2016年にバランスト・アーマチュア型のイヤホン、XBA-100を購入した記事を書きましたが、そのとき以来ずっと気になっていた上級モデルXBA-300が、中古ながら市場価格の半分で出ており、ついに入手いたしました。

 バランスト・アーマチュア(以下BA)とは、従来のスピーカー構造のダイナミック型とは全く違う新世代の振動板を持つイヤホン用のユニットで、非常に小型軽量に作ることが可能です。ユニット一つあたりの周波数帯域は狭いのですが、小型なために、イヤホンのような小さな機器にも複数内蔵することができます。また、ダイナミック型のイヤホンに高音域を担当するスーパーツイーターとしてBAを搭載する機種もあり、ソニーで言えばXBA-N1やN3といった機種がそういう構成で好評です。

 そのBAを1基搭載する、いわばソニーのBAの「素」を愉しむ機種が前述のXBA-100なのですが、それに対し、低音用ウーファーユニットと高音用スーパーツイーターユニットの2基を追加し、3ユニットのBAで構成された機種が、ここに紹介するXBA-300です。

 はっきり言ってしまえば、BAは低音用のユニットとしては向いていません。BAは小型軽量であるが故に、迫力ある低音を押し出すには不向きで、本来はダイナミック型に低音を受け持たせるハイブリッド型の方が、迫力も出しつつ音のバランスを調整しやすいからです。

 しかし、ソニーは初代BA世代のXBA-一桁シリーズから、BAによるマルチウエイ化に果敢に挑戦し続けてきました。第2世代まではスーパーウーファーを追加した4BAユニットのXBA-4やXBA-40なんていう機種もありました。しかし、第3世代で3BAのXBA-300に落ち着いたということは、音のバランスとしては3ウエイが理想であったということの証拠ではないかと思います。

概要・音質



真鍮口 XBA-2桁世代までは2ウェイ、4ウェイと各種あったモデルを3ウェイに絞り、徹底的に音を作り込んできた印象です。BAのマウントフレームにマグネシウムを使ったり(ま、これは前の世代でもそうでしたが)、音導管に真鍮を使ったり、ケーブルをPC-OCCから銀コートOFCリッツ線に変更したりと、素材を厳選し、構造を徹底的に見直して理想とする音を追求しました。ハイレゾ対応にも認定されています。ケーブルも交換可能な構造になっており(イヤホン界ではケーブル交換を「リケーブル」って言うんだそうです)、さらに高品質なケーブルやバランス接続構造にすることも可能になっています。

箱 さて、モノが届きました。下位モデルのXBA-100よりだいぶしっかりした箱に入っています。中には本体と、イヤーピースやケースなどの付属品各種が入っています。

 以前から何度か仙台のヨドバシで視聴してずーっといいなー、と思っていた音ですが、改めて自分のものとして聞いてみて、その印象は確信へと変わりました。こりゃいいぞー。


 XBA-100で感じた音の「煌めき」は、さらに磨きがかかっています。特に、ヴォーカルの息づかい、楽器の息づかいや指づかいなど、その場の「空気」をそのまま持ってきたかのような生々しい音!これを聞くと、高音がスッキリと綺麗に聞こえることがいかに大切か、本当によく分かります。

 ただ出ているのではありません。歪みやカスレなどを一切感じさせない、まっすぐな美しい、クリアな音。その証拠に、高音がはっきりと出ているにも関わらず、ボーカルのサ行は一切刺さりません。抜群の解像度がもたらす、一切の曖昧さのない音は、「こんな音出てたんだ!」という新鮮な驚きをもたらします。本当に、色々これで聞き直しては「なるほどー」と感心することしきりでした。

 ボーカルの息づかいの生々しさは特筆モノ。声の艶に特徴のある人の歌は、本当にいつまでも聞いていたくなるような音質です。今回発見したのは、TOKIOの長瀬君の声。以前からいいと思ってはいましたが、XBA-300で聞くと、超セクシーで惚れ直しますよ(皆さん、TOKIOは漁師でも農夫でも大工でもありません。アーティストなんですよ!知ってました?笑)。他には、安室奈美恵とか、X-JAPANとか、miwaとか、若かりし頃の広末涼子なんかもいいですよー。宇多田ヒカルあたりだとちょっと吐息成分が多すぎてしつこいかな?

 楽器の音も、一つ一つがちゃんと粒になって見えるような見通しの良さ。ブラスもギターも、一つ一つの音が一点の曇りなく聞こえてきます。音場も広く、チャンネルセパレーションがいいので、各楽器がステージのどこにいるのかがはっきり見えるようです。

 ただ、吹奏楽や管弦楽のホールコンサートものに関しては、ちょっと違和感があるかもしれません。客席では絶対に聞こえない息づかいや指づかいも如実に伝えてくるので、「客席で聞いている感じ」には聞こえないのです。指揮者のつもりで聞いたらそう聞こえる、そんな音に仕上がっています。

 声と楽器の表現に優れているので、バンドものは聞いててものすごく楽しいです。だから、TOKIOは聞いてて本当に楽しいんです。ちょっと楽器に声が埋もれがちではあるのですが、そこは解像度でちゃんと一つ一つの音が分離しますから、聞こえないということはありません。音のハーモニーで聞かせるのではなく、「全部の音をちゃんと聞け!」というタイプ。ここまで徹底すると、気持ちいいです。ホールの拍手なんかも、よく聞こえますよ。

 ちなみに、これらは全て筆者がちゃんと耳で聞こえている範囲の音の話です。ビットレート128kbpsでも十分実感できます。ハイレゾ対応ではありますが、可聴帯域のチューニングをちゃんとしてあるっていうことなんです。ハイレゾは再生機器を持っていないので分かりませんが、自信を持って言えるのは、以前のウォークマンとか使っている人でも、イヤホン変えたらいい音で聞けますよ!ということです。きっと、5〜10kHzあたりの音質が素晴らしくいいんじゃないかな、と思います。レンジの広さをもちろん感じますが、ハウジングの素材とかでそのあたりの基礎的な特性をしっかり煮詰めたからこその音質じゃないかな、と思います。

 前世代の4BAユニットで作られたXBA-40も試聴したことがありますが、XBA-40はBAユニットの癖がコントロールしきれていない印象でした。音に変な癖が何カ所かあって、気に入った人にはいいのでしょうけど万人受けする音では少なくともないな、と感じました。おそらくはBAユニットの癖とハウジングや音道に起因する癖があって、XBA-300ではそういった部分の癖を徹底的に排除してきたのではないかな、と思います。

 じゃ、低音はどうかというと、BAのウーファーを搭載している割には量は大したことないです。最新のハイブリッド型、XBA-N1やXBA-A3あたりで慣れている人が聞いたら、相当物足りないんじゃないかな、と思います。でも、筆者にはパーフェクトなバランス。量で押す迫力ではなく、専用のBAタイプウーファーだからこそ実現できた、研ぎ澄まされたレスポンスのソリッドな低音。「他のモデルとは違うんだぜ」ということを明確に主張しています。

 BA1基のXBA-100に比べたら、高音はよりすっきりクッキリ、低音も量はともかく下までちゃんと伸びていることが感じられると思います。というより、聞き比べるとやっぱりBA1基じゃ足りないんだな、ということが分かるのではないでしょうか。XBA-300とはやはり格が違います。XBA-100だけ聞いたらそれで十分な感じがするのですが、300を聞いたらやっぱ300だよなぁ、となると思います。前の世代と違って、マルチウェイながら悪い癖がないのもいいです。

 周波数バランス、音のキラキラ感、音質とも、実はMRD-EX90にかなり似ています。しかし、キレの良さは、XBA-300の方がさらに上回っているように思います。そして、一つ決定的に違うのが遮音性。EX90は半開放型で、外の音がかなり聞こえてくるのですが、XBA-300は一旦付けてしまうと空気の逃げ場が一切ないのではないかと思うほど密閉性・遮音性が高いです。その遮音性の高さは、MDR-NW750Nでノイズキャンセリングをオンにしたときより高いのではないかと思えるくらいです。

 この密閉性・遮音性の高さはXBAシリーズの特徴の一つで、XBA-100も、外すときに「ずぽっ」という音を立てて、イヤーピースがひっくり返るくらいなんですが、XBA-300もそんな感じでフィット感抜群です。ハウジングも高級モデルにしては小型なので、仰々しさが一切なくて、付けていてもサイズが気になることがありません。ですから、音楽への没入感が高いのです。環境音とか流しながら集中したいときもいいです(ただし、音にうっとりして仕事に集中できないかもしれませんが)。

 半開放のEX90も、それはそれでいいんですよ。特にオフィスで仕事に集中したいとき、でも電話とか周りの様子とか分からないのは困る、なんていうときとか、外でウォーキングしながら使う、なんていうときはEX90の方が安全です。ま、外で使ったら低音なくなりますけどね(笑)。

XBA-300


 ということで、自分の好きなボーカルを存分に楽しみたい、オーケストラを指揮者目線で楽しみたい、低音の迫力は要らないからとにかくキレイな音を聞きたい、他のハイブリッドタイプの低音の多さに辟易している、という人には自信を持ってオススメできます。とにかく色々な音源を聞き直したくなる、そんな鮮烈な体験が待っています。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
煌めく息づかい SONY XBA-300 弘法よ、筆は選べ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる