ブラックリスト No.23 三菱鉛筆 uni-ball one (ユニボールワン) 黒
黒インクのインク帖は、「ブラックリスト」と呼ぶことにしました。
ブラックリストは、ツバメノートのセミA6(文庫よりちょっと小さい)サイズの太罫ノートです。残念ながらフールス紙じゃなくて通常の中性紙でして、インクによっては裏抜けしたりするんですが、まぁ黒インクは優秀なのが多いし、抜けるヤツやそれが分かるのも一興ということで、そのまま使うことにしました。
で、今回取り上げるのはユニボールワン。昨年2020年に新発売になった、「oneインク」採用のペンです。
oneインクの0.5mmリフィル、「UMR-05S」はシグノRT1などのノック式ボールペンの共通規格でして、RT1だけじゃなく三菱uniのノック式ジャンボリフィル系のボールペンには大体何でも使えます(なんと、実はジェットストリームとも互換性があったりします)。他社のボールペンにも、似たようなリフィルを使っているペンには無加工で入りますよ。
なーんだ、要は新型シグノか。と、ナメておりました。他にエメラルドのも持っていて、カラーインクについては「シグノよりちょっと濃い」というのは確かでして、まぁでもあまり「新しさ」っていうことでは印象的っていうほどでもなかったんです。
しかーし。店頭で試し書きする機会がありまして、しかも上段にone、下段にRT1という「比較」ができるお店で、書き比べてみたのですね。
え、何これ
ビックリしてしまい、しかもピンクゴールドのクリップが付いた限定品も売られていて、それもたかだか180円(+税)だったので、思わず買ってしまったのでした(限定品に引っかかるあたりがチョロいなー)。
で、何にビックリしたのか?というと、黒インクの「黒さ」です。何というか、不自然なくらい、異次元の黒さなんですよ。シグノの黒と並べたら、明らかにoneの方が黒い。この「おかしな黒さ」をさらにご覧に入れましょう。
まずは、油性のジェットストリーム。ジェットストリームは、これまた独特の「ツヤ」が個性的でして、西日に当てるともはや字が見えないほどキラキラと反射します。
次に、ゲルインクのシグノ。これはこれでシャープな筆跡が魅力の使いやすいペンでして、見た目の黒さも十分なんですが、西日にはこのくらいの反射があります。で、、、
ばばーん。これ、なんとかして角度を付けて「反射する角度がどこかにないか?」と色々試した結果なんですが、精一杯の反射がこれ。そう、全然光を反射しないんですよ。シグノと比べると字幅が太いのもあるんですが、oneはよほどの意地悪をしても、大体どんな光線を当てても黒く見えるんです。たぶん、oneインクには10%くらいダークマターが含有されています(殴)。
何かに似てるなー、と思ったら、同じ三菱uniから出ている「ポスカ」ですね。とにかくインクのマット度合いが他のペンとはレベチなのです。ユニボールワンは「ポスカのボールペン」だと思ってもらえるといいのではないかな、と思います。実際、インクが紙に浸透せずに、紙の上に乗っかったまま乾燥するような工夫をしてあるそうで、筆跡が濃い割には裏抜けもしません。
ユニボールoneの課題は、早書きするとボールが接紙してしまうということ。つまり、線の真ん中がボールの通り道となって二つに割れてしまうということです(上の写真の直線部分に見られます)。粘性が高いのか、インクフローがちょっと追いついていないんでしょうね。「丸付け」で使うと丸がかすれてしまうという特徴があります。
対策は…そういう用途にはシグノ307を使うということ(笑)。307はoneとは対照的に、赤味は若干低いんですがガンガン早書きしても全く掠れることもなく出てくれるという、こちらも素晴らしいペンでして、学校の先生にはオススメだったりします。
ということで、暗黒物質による(殴)異次元の黒さを体感したい方は、是非一度手に取ってみることをオススメします。個人的には、リフィルを買ってきてジェットストリームのピュアモルトとかアルファゲルとかに入れるのもいいんじゃないかな、と思います。
<追伸>
紙に浸透しない、紙の上で乾燥するoneインク…ということで、もしかして消しゴムで消えるんじゃないかと思ってやってみた。
結論:半分消える。
筆跡を引っ掻いたりすると字がちょっと欠けて見えることもあるかも。
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